第835話 モンブール海賊捜索3

タカマーノたちにくぎを刺されたサラたちは、アルテーラ王国の領海内での海賊捜索はいったん見送り、コルマノン王国の領海であるモンブール付近での調査を継続する。とは言うものの、領海付近をドラゴンたちと飛んで警戒するのと、囮の商船に国境をまたぐバスキとモンブール間の往復をさせることぐらいしかすることがない。


広い海での遭遇確率を踏まえると、暇な時間が増えてしまい、

「なぁこのままじゃラチが明かないよな。いったんバスキの拠点に戻ってやり方を見直そうぜ。ミケラルド商会の船にも護衛を乗せて囮を増やすとか」

とハリーが音を上げる。

確かに効率が悪いため、バスキの街に戻りミケラルド商会にも打診すると

「ドラセム侯爵家の従士団による護衛がつくならば、滞っている配送のためにありがたい」

と快い返事を貰えた。転移で仲間たちを連れて来て、精霊を召喚できるメンバを分散するよう囮の船に搭乗させる。


バスキの街で、海賊による被害状況など情報収集をしているなかで、以前に調査依頼をしていた精霊の祠の噂について改めて耳にする。当時は契約できていない属性の精霊の調査を優先していたので、契約済みの風属性の情報は放置していたのだが、暇を持て余しているハリーが調査を希望する。

「バスキから南に船で半日ほどの島にある神殿のなからしいぞ。囮の航路とそんなに離れないしさ」

と誘ってくる。

確かに悪魔は複数と契約しているが、精霊は6属性それぞれで1契約しか行っていない。念のため契約済みの風精霊ジョステルに聞いてみても、契約者の成長につながることだからと了承される。


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