第613話 土精霊ペクトーン

サラたちはまず祠に魔石をお供えしてお祈りをする。

その上で、水精霊シルビー、風精霊ジョステル、火精霊ヨルバを召喚し、ここにいる土精霊に声をかけて呼び出して貰う。


「いったいなんじゃ。こんな精霊たちが集まって」

「このサラと契約を結んであげて欲しいの」

「ふーん。確かに優れた魔女の気配があるが、まずは土魔法を見せて貰おうかの」

「わかりました」

とサラは、人が居ない方向に向かって≪岩槍≫を発動する。

「うむ。なかなかじゃな。よし、契約をするとしよう。我が真名はペクトーンである」

と、他精霊のときのように土魔法の魔導書を貰う。

ペクトーンに断ったうえで、早速≪契約≫の上で≪召喚≫をしてみるサラ。


続いて

「私たちもいいでしょうか」

とミーナ、アルベール、リリアナ、ティアーヌの4人も≪岩槍≫を発動し、それぞれ≪契約≫≪召喚≫を行うことで、数体のペクトーンが並ぶことになった。

サラたちはそれぞれお礼に祠に魔石を奉納する。


それを見ていたベンノ親子は、開いた口がふさがらない状態であったが、最初に我に返った父が

「村長に早く会って欲しい」

と、急ぎ村長宅に連れて行かれることになった。


村長宅では

「おう、ベンノが帰って来たらしいな。会うのは夕方から晩飯込みでと返事をしたつもりだったが?」

「村長、急ぎですみません。ベンノを連れてきた彼女たちの話を聞いてください!」

とベンノの父親が村長に迫る。

「この6人のうち5人もが、土精霊様を≪召喚≫したんですよ!」

「なに!?」

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