第614話 ドワーフ村長
ベンノの父親と違って、村長は少し落ち着いて話をする。
「このドワーフ村では採掘のこともあり土精霊様をお祀りしておりますが、長い間お姿を現されなくなって、もはや伝承になっている次第です。それを皆様が精霊様のお姿を、とのこと。ぜひ私にも拝ませて頂けないでしょうか」
要望に応えて、サラが代表して土精霊ペクトーンを≪召喚≫すると
「土精霊様、このドワーフの村をお守り頂きましてありがとうございます」
と村長がペクトーンに平伏する。
「うむ。そのようなことは良いのだが、引き続き祠の手入れを頼むぞ。お前たちが魔法をまともに使えなくなって久しいから話すのも久しぶりじゃな」
「はい、申し訳ありません」
「いや、わしのことを奉る気持ちはちゃんと受け取っておるぞ」
「は、ありがとうございます」
「たまには魔石の奉納もして貰えると嬉しいぞ」
「かしこまりました」
「ドラセム様、ベンノをお救いいただいた上に、土精霊様のことも誠にありがとうございます」
「いえいえ、どういたしまして。あ、こちらもご確認ください」
とミケラルド商会からの紹介状も手渡す。
「では失礼して・・・これは。この村の経済面で重要なミケラルド商会にとって、ドラセム様はとても重要な方であるのでご要望は対応して欲しい、対価はいくらでも別途商会が負担する、とあります」
「いえ、そんな特別な要望は思っていませんでしたが・・・」
仲間で相談をさせて貰うと
「おれ、ミスリル製の剣が見たいな」
「うーん、ミスリル製品は高くて買えないだろうけど、見ることはできるのかな」
「あと、カーヤが修業に来たいかもしれないから、その支援のお願いぐらいかな?」
「じゃあ、小さくても家を1軒購入させて貰えたら助かるのかな」
と、これらを相談することになったが、いずれも快く了承して貰えた。
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