第591話 転移魔法陣2

転移魔法陣について、カーラとある程度解明できたころにエミリーが王都にくる。かなり急いできたようで連絡してから2週間程度での到着であった。


挨拶もそこそこに魔導書を食い入るように読んだエミリーに対して、カーラと分かったところまで伝える。

「これはますます人に知られてはダメな秘密が増えたね」

「エミリーは絶対座標の基準点や確認方法について知らない?」

「うーん、聞いたことは無いけど、知ってそうな者の心当たりはあるよ」

「え?誰?」

「この次元と異なる次元から≪召喚≫でやってくる者たちだよ」

「なるほど!」

と言うことで、水精霊シルビー、火精霊ヨルバ、風精霊ジョステル、天使マルカルロ、悪魔ストラデルを全員≪召喚≫して、相談する。

「ねぇ、他の次元から≪召喚≫で来るときにどうやって位置を把握しているの?」

「召喚者の近くに出現するから、意識していなかったよ」

というシルビー達に対して、

「座標を知らなくても魔力提供している召喚者を目標に出現はできますが、当然にどの場所にも絶対座標は指定できますよ」

マルカルロは言い、例えばこの地点は、と魔術語での指定表現を教えてくれる。


「さすが、知識・魔法の女神ミネルバ様の眷属。他の場所も分かる?」

「無限にあちこちとはできないですが、このメンバにマークをしておいて、その場所を確認することはできますよ」

「じゃあ、ここは?」

とシルビーが、サイユ近くの洞窟にある自分の祠に分体を出現させた上で確認すると、

「はい、わかります」

と魔術語での指定表現を伝える。


エミリーの自宅にあるシルビーの祠に対して、シルビーの出現をお願いすると、その祠の場所の魔術語表現も確認でき、祠そのままでは転移先になれないので、そのすぐ近くの開けた部屋の魔術語表現を教わる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る