第61話 副職業

ハリーたちは副職業というほどではないが、本業の剣士・弓士以外の技能についても習熟を深めていた。



ハリーは宿屋を営む両親に料理を学んでいる。魔の森での塩味のみの魔物肉がつらかったため、自分で美味しいものが食べられるようにするためである。


まず肉の部位について、希少や高価な部位、脂が多いところ筋が多いところを学び、解体時に美味しくなる切り方について学ぶ。単なる暗記では覚えられないところを、実際に調理した物を食べ比べるなど、ハリーにあった教え方を両親も考えた。

切り方や焼き方で味が変わることだけでなく、塩以外に持ち歩きやすい香草についても指導された。



そのころリリーは今までの蓄積もあり、簡易な革鎧(レザーアーマー)が自作できるようになった。


ハリーには、蝋(ワックス)により強化することも行ったものを全身に、さらに部分部分に金属で補強したものを提供した。もちろん金属加工まではできないため、その部分は鍛冶工房に外注した。

リリー自身は身軽さ重視もあり金属補強は無いものの全身鎧にした。

サラはもっと軽量希望であり怪我をしやすかった腕や脚など一部だけの革鎧とした。さらに火傷痕を隠すためにも全身ローブは継続するため、軽い毛皮ベースのローブを提供した。



サラは他の二人ほど本業と離れた副業ではないが、あえて言うならば魔法回復薬づくりがそれに相当する。


今までは主に傷回復や魔力回復用の魔法回復薬づくりが主であったが、この街を出ていった場合のことも考え、解毒や病治癒など他分野も学び始めた。病治癒は中級から高級まで幅があるため、重い病までは治せない中級までは何とか習得しておく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る