第182話 加勢
ハリーたち4人が立ちふさがることで、体制を立て直せた貴族パーティー4人。
「フェルール様はこちらでお待ちください」
と令嬢を床に下ろした金属鎧の3人は、前線に戻る。
「我々は左側にまわります」
とハリーが言い、大扉付近を金属鎧に渡して、少しずつ左前に進むハリーとカーヤ。
ゾンビたちは問題なく前衛で持ちこたえているが、ゴーストが上を越えてこようとするのを、サラとリリーが魔法と武技で撃退する。サラの≪氷刃≫の同時発動と、リリーのリターンによる矢の回収を併用した≪連射≫である。
ゴースト3体を片付けた後は、前衛を越えるように≪火炎≫の同時攻撃と≪連射≫で奥のゾンビを片付けるのを手伝うことで、最終的にアンデッドは一掃することができた。
流石にかなりの数との戦闘であり、しばらくは誰からも声が出なかったが、最初に年長金属鎧が
「助かった。お礼を言う」
と口火を切った。
翌日あらためてお礼に伺うと、年長金属鎧はセドリックと名乗り、待合わせ場所としてカーヤの実家を約束する。また、アンデッドの魔石やボス部屋の宝は、加勢のまずの礼として引き取って欲しいとのこと。
フェルールが大きな杖を使って金属鎧3人に神霊魔法の≪治癒≫を詠唱付きでかけ終わったのに合わせて、貴族パーティーは先に進んでいった。おそらく下層への階段を下りて光る床から出口に向かったのだと思われる。
息が詰まりそうであった4人も、貴族パーティーが見えなくなると、また大きな息をしてから、サラが≪治癒≫をかけるのと皆で魔石の回収を行った。サラは先程のフェルールの神霊魔法の≪治癒≫をじっくり見たのを思い出しながら、魔術の≪治癒≫をしていた。
ボス部屋の奥には宝箱と下層への階段があった。
宝箱の中身は薬瓶が3本であった。街に戻って鑑定をして貰うしかない。
今夜は野営をするつもりであったが、思わぬ結果になり、下層の光る床から帰ることにした。
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