第1004話 ガーライト海賊事情3
海賊達が待ち構えていた甲板に出たところで、ハリーはアルミーノ国王に貰った通行許可証を提示する。
「一応こういう物を持っているのだが?」
「ほぉ、立派な物を持っているようだが、俺達には関係ないな」
「レンツィオ?」
「ハリー様、動じないのはご立派ですが、この船に乗り込んだ証跡もないのですよ。我々の安全のために、彼らに従って貰えないでしょうか?」
「あくまでも海賊の一味ではないと言うことか?」
「ご想像にお任せしますがね」
「おしゃべりしていないで、こっちに来い。逆らわなければ、男であっても生かしておいてやるから」
サラ達3人は大人しく縛られて海賊船に乗せかえられた後は、海賊が拠点に戻るのに身を任せる。
「なぁ兄貴、この女達、味見しても良いかな?こんな美人、滅多に居ないぞ」
「馬鹿野郎!親父が手をつける前に手を出したことがバレたら殺されるぞ」
「はぁ、仕方ねぇ。いつものようにおこぼれがまわって来るのを待つしかねぇか・・・」
拠点に着くのを、嫌悪感を我慢しながら待つ3人。そして夜が明けた頃に海賊達の拠点と思われる島にたどり着いたのを見届けたところで、風精霊ジョステルに縄を切らせた3人はいっぺんにサラの≪転移≫でガーライト王国の王都ムリンの拠点に帰る。
「流石に魔法の収納袋や色々な武器も置いて乗船したのは不安だったよ」
「まぁ取り上げられる可能性があるのは分かっていたしね。あの安物の武器や宝飾品も取られたでしょ?」
「で、苦労して海賊拠点が把握できたのだし、いよいよ行動開始ってわけか。あのレンツィオはどうする?」
「完全に海賊と決定したわけではないし、戦闘力もあるか分からないから放置しましょうか」
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