第1015話 マウロ島被害2

サラ達が傷ついた将兵の治療をしている間でも、クラーケンが島に登ってこようとするため、悪魔や精霊に命じて退治させつつ、既存の崖部分には巨大な石壁を作って防衛すべき場所を限定することも並行して実施する。


建物や船などはほぼ壊滅状態であり、助からなかった将兵達も多かったと思われるが、生存者への治療、そして石壁などにより魔物の襲撃を防げるようになったところで一息つけることになった。

そうなると次には空腹を満たすこと、安心して眠られるベッドなどの要望が上がってくるのは当然である。


ある程度の時間も経っているので王城側でも準備ができていると思うが、第2王子に相談をする。

「ここにいらした将兵を王城に連れ帰ることと、王城で集結の方々をお連れすることの、どちらか、もしくは両方をどうされますか?」

「それが簡単にできる選択肢になるということへ驚くことはやめた方が良いのでしょうな。ここは海軍拠点であり、海軍を撤退させて王城の陸軍だけを連れてくるのは要らぬ問題を起こすであろう。王城から陸軍や物資を運搬するだけ、をお願いできないでしょうか」

「かしこまりました」


サラはティアーヌ達と手分けしながら、ゴルガの王城で集結していた陸軍の将兵達と物資を運搬してくる。

「サラ、流石だな」

「・・・」

「ドラセム侯爵、申し訳ありません。私が手綱を緩めてしまったばかりに」

「何をいう、陸軍が前線に来るのである。我が来なくてどうする」

第3王子ダニエーレまでマウロ島に来てしまったようで、タカマーノ騎士爵が謝ってくる。それを見た第2王子のジラルドの表情が厳しい。


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