第293話 鉱石採取
リリーとカーヤが手入れ依頼をこなし、リリーが入手したBランク魔物の皮革を用いた製品、中級上位と高級下位を店頭に並べられる量を制作できた。
次はカーヤの希望に合わせて、以前にいった坑道ダンジョンに向かうことにする。
これもまた10日ほどの行程になるため、事前に素材調達に行く予定を貼り紙しておいた。
今回もミーナは経験のために連れて行くことにする。ミーナにとってダンジョンが初めてなのにBランク魔物のダンジョンなのは誰も気にしていない。それどころか、折角だからとツルハシを調達して来て、何事も経験としてミーナもやってみるように指示されている。
魔の森を3日ほど進むのであるが、途中ではゴブリン、ホブゴブリン、オークなど亜人系が多い方向である。ミーナにも≪炎付与≫した片手剣での武技≪斬撃≫や、≪火球≫等の魔法で戦闘に参加させる。亜人系ではあるが、先に大型トロールで経験したからか、ミーナは人型魔物に攻撃することに忌避感はなかったようである。
3日目に、山のすそ野から線路が出てきてトロッコが転がっている場所にたどり着く。
いつもの前から2人ずつのハリー・カーヤ、サラ・リリーの後ろにミーナとし、ガンは上空を飛ぶかミーナの横か後ろからついてくるように指示する。そろそろガンが参加できないダンジョンが増えてくる気配がある。
ハリーの盾に≪灯り≫魔法をして、線路に沿って進む。前回はカーヤが採掘可能な場所を見つけていたのだが、その時に教わっていたハリーがまず確認するようにしてハリーの採掘技能の訓練を行う。また、サラも≪簡易鑑定≫を採掘可能そうな場所にかけると、採掘可否が分かることから鑑定の訓練のために何度も魔法発動することにした。当然魔力を消耗するので、必要に応じて魔力回復薬を飲むが、魔法袋には十分な量を収納しているので気にしない。
普通の鉱山であれば当然一度採掘したら無くなるだけであるが、坑道ダンジョンの場合、鉱石は補充されるようであり、前回よりも多く採掘ができている。また採掘可能な場所は前回と同じ場所のこともあるが、別の場所であったりもした。何か法則があるのかは不明である。
以前は遭遇がオークからハイオークに変わった頃に採掘量が増えたのであるが、今回は手前からもそれなりに採掘できている。それでも掘り手がカーヤ、ハリー、ミーナの3人になっているため、それなりの速度で奥に進めている。
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