第292話 鑑定魔法

皮革狩りから戻り再度開店すると、革鎧や武器の手入れ依頼が隣のカーラの店舗にいくつもあり、魔法回復薬のまとめ買いもあった。中級魔法のスクロールの要望もカーラにあったらしい。

リリーは手入れ依頼をこなしながら入手した皮革で製品作りに精を出し、カーヤも手入れ依頼をこなしながら店番をすることになる。

ミーナは、森の入口ぐらいでは危険も減ったことから、ハリーとガンとのみが付き添って訓練することにした。


その間に、サラは魔法回復薬を大量に調合するのと、水精霊シルビーに協力して貰い≪氷結≫を習得する。最近は炎属性の魔物が多かったのと、≪氷結≫の範囲攻撃である王級≪霧氷≫の足掛かりにするためである。


それと、カーラに中級魔法のスクロール作成に必要な、恒久的な付与魔法について聞くが、習得は難しいといわれる。恒久的な付与をするためには、付与対象の理解が必要であり、自身が作成した物でない場合には中級以上の鑑定能力が必要とのことである。

その上で鑑定魔法の初級≪簡易鑑定≫を教わる。これは低級・中級・高級・特級などのそれぞれ下位・中位・上位と、魔法の付与など特殊効果の有無がわかる程度である。鑑定はとにかく経験であるとのことで、ひたすら何でも鑑定をする癖をつけるように指導される。


サラは≪簡易鑑定≫を、パーティーメンバの装備や、自分たちの店舗、カーラの店舗の各商品をすべて鑑定した。

例えばサラの悪魔ストラデルの依代である短剣は、特級中位に特殊効果があるとの結果であり、ハリーの魔剣は高級上位に特殊効果、リリーの魔槍は中級中位に特殊効果、カーヤの魔斧は中級下位に特殊効果となった。同じ魔剣でも元素材の品質には差があることが改めて分かった。

ちなみにサラの短剣については、ストラデルから念話で『我が成長すればもっと上級に成長する』と補足があった。


魔法回復薬の調合の最後に、魔力で励起が上達すると品質が向上するのだが、今までは基準が分かりにくかったが、これで師匠みたいに特級まで作成できるようになるかもしれないと期待する。

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