第840話 モンブール海賊来襲2
確かに味方の戦力を踏まえると、護衛させていた従士団の6人のみを商船からガレー船に乗り移らせて、商船自体はガレー船から離れてしまった方が、非戦闘員のドラセム商会のメンバたちや商船自体の安全のためになる。
衝角(ラム)で商船の脇腹に穴を開けて喰いついたまま、甲板から戦闘員を乗り込ませる海賊側の意図が完全に狂わされたが、甲板に獲物が自ら乗り移って来たのである。
「図に乗りやがって!野郎ども、こいつらは少数だ、囲んでやっちまえ!」
と気勢を上げる海賊たち。
「お前たち海賊風情にやられるわけないだろう!」
ミリアーノ達6人だけでも大丈夫と思われるが、念のためハリーをガレー船の甲板に下ろした上で、サラ達≪飛翔≫の5人は上空から援護射撃を行う。
護衛をさせていた元悪魔教団員の上級魔法使い3人と上空からの5人が、それぞれ精霊や悪魔などを召喚した上で≪氷結≫≪睡眠≫等の拘束系を多用し、甲板でもハリーやミリアーノ達から離れた海賊たちを戦闘不能にしていく。ハリーたち近接攻撃が主体のメンバも目の前の海賊たちの武器を中心に狙い、可能な限り殺すことなく戦闘力を奪っていく。
さきほどティアーヌが注意したようにこの後の情報収集をしたいために、単に殺していくより手間ではあるが戦力差が十分にあるからのやり方である。
ガレー船の海賊の中には魔法使いは居なかったようであり、30人ほど居た戦闘員がみるみるうちに数を減らしていき、残っていた海賊たちが
「やばい!助けてくれ!こんなときこそ出番だぞ!!」
と声をあげて伴走の帆船に助けを求め出した。
「これだからガーライトの海賊風情が・・・」
等と言いながら、帆船の甲板から≪火槍≫≪火炎≫などの攻撃魔法が、離れだした商船とガレー船に飛んでくる。
「待て!俺たちも居るんだぞ!」
「ふん、知ったことでは無いわ」
ガレー船の海賊と帆船の魔法使いの間でやり取りがある。
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