第190話 フェルール習熟
その野営初日の夜は、フェルールがワンドで≪水生成≫を成功させて魔力を使い果たしたあたりで就寝することになった。
見張りはハリーたち4人が交代で行うことにした。
部屋の角をフェルールとし、その周りに騎士・騎士見習いの3人とし、少し離れて冒険者4人の寝床として、入口の扉を見張るようにする。
今まで遺跡タイプの扉を越えてくる魔物はいなかったので、極度の緊張はしていないが、以前に遭遇したように悪質冒険者や強盗など人間も要注意であるため、見張りは必要である。
ただ、やはり何事も無く朝を迎えることができた。
朝食もハリーが8人分を用意して、探索を再開する。
ダンジョン20階の2日目からも特に問題はなく、ゾンビとの遭遇は撃退し、他冒険者を見かけたときには、すぐに違う方向に行くことで今まで以上にトラブル回避に気を付ける。
夜のフェルールの魔法訓練は、火魔法や回復魔法も従来のスタッフを使わずに通常ワンドで同等効果を出せるようにすることで、発動体に依存しないよう魔力操作の向上を図る。その効果で、本来は発動体効果の低いワンドであるにもかかわらず消費魔力を抑えることができるようになってくる。
そのうちに昼間での魔法発動もワンドに変更して、ゾンビへの≪火球≫も行うようになった。
当然、これらのやり取りにおいてサラはフェルールと多くの会話をすることになる。サラ自身が人見知りで口数も少なかったのでフェルールとの付き合い方も強引さが無く、良いコミュニケーションが取れているからでもある。
リリーも指輪の魔法発動体に慣れて、風魔法での隠し部屋の操作だけでなく、余力のある時には≪必中≫を矢に付与してから放つように練習していると、目標の範囲を狭くすることができることに気付いた。これをさらに習熟することで急所を狙うことが出来るようになるため、ますます≪必中≫を使用するようになった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます