第169話 魔矢

翌朝の神殿の参拝の折には13階踏破と様々な習得の御礼も行ってから、カーヤの実家にカーヤとの合流と武具を貰いに行き、14階へ挑戦に向かう。

14階も坑道であり、同じだけの広さがある。冒険者ギルドで昨日に確認した際にもやはり地図はまだないとのことで、自力での踏破を目指すことにした。


13階のときに学んだ、地図作成するように丁寧に端から行くのではなく、広いエリアを軽く通る方がボス部屋に近いかを判断しやすく、次の階層への近道である、ということに従い、進むことにする。


この階層でも遭遇する魔物はホブゴブリンとオークである。魔物は、それぞれが新たに習得した武技や武器の練習台と思い倒していく。ハリーとリリーの≪剛撃≫、カーヤのバトルアックスと≪斬撃≫と≪肉体強化≫、サラは一応≪肉体強化≫しながらの≪熱湯≫である。

≪熱湯≫は顔面を狙うことにより、単純な≪火炎≫よりも広範囲に火傷を与えて戦闘力低下には効果が高いことも分かった。


冒険者にも、採掘中、戦闘中、休憩中それぞれに遭遇するが、自分たちがかなり若い4人組であり変なトラブルに巻き込まれるのを回避するため、できるだけ少ない接触で離れることを心掛ける。

カーヤがときどき採掘場所を察知したときにはツルハシで採掘するのを待つ。カーヤは親に借りた魔法の背負袋に鉄鉱石をしまう。サラは背負袋の魔法陣を見せて貰いメモしておく。


3日ほど探索した後に、また風魔法で違和感のある壁を見つける。カーヤのツルハシで崩して貰うと13階のときと同様に奥に宝箱があった。リリーの槍で遠くから触ってみた上で、カーヤの手作業での罠確認でも危険はなさそうであり、蓋を開ける。中には軽い金属でできた矢が3本であった。いずれも矢じりの近くと矢羽根の近くに一つずつ小さな魔石と魔法陣がある。サラが見ると、それぞれハリーの投擲短剣の≪帰還≫とカーヤのツルハシの≪頑丈≫と同じに見えた。

「ようやく私にも魔法の武具ね!」

とリリーが喜ぶ。

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