第20話 武技


サラが魔法の強化をしているとき、ハリーとリリーの兄妹も強化に励んでいた。


先輩冒険者に片手剣、弓それぞれの技を学んでいた。

これは武技、アーツと呼ばれるもので、自身の魔力を消費することで威力向上などをするものである。見方によっては魔法の一種とも言える。


冒険者ギルドの裏手に訓練場がある。

そこには藁人形、土手、的など訓練に便利なものが用意されており、ギルドに登録しているメンバには必要最低限の費用で使用が可能にしている。さらに講師も安価に頼むことができる。そうすることで、冒険者の質の向上をさせ死亡率の低下を図れるからである。


片手剣の≪斬撃≫は、魔力を込めながら切りつけすることで威力を向上するものであり、初心者が最初に習得するものとして人気である。

ハリーは今まで魔力を込めることをしたことが無かったため、魔力操作のイメージをつかむことに難航した。まず自身の体内で魔力を感じ、右手に集めて、それを剣に押し込む必要があるが、まず魔力の感知に苦労した。しかたないので、ギルド講師で回復魔法を使用できる人にハリー体内の魔力操作をして貰い感覚をつかんだ。それからの右手に集めること、剣に押し込むことはかなり早く習得することができた。


弓の≪穿孔≫は、魔力を込めながら矢を放つことで威力を向上するものであり、これも弓の初心者が最初に習得するものである。

リリーはハリーと違い、魔力を感じることと右手に集めることまでは早々にできた。ただ、そもそも弓矢の矢を引く右手は握り過ぎると矢をスムーズに放てないため、正確に射出できる握りのまま魔力を込めるという右手の操作習熟に苦労した。こればかりは矢を放つところまでを含めて繰り返し練習することで慣れるしか無かった。

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