第114話 悪魔魔法
悪魔ストラデルへの質問は、サラからも続ける。
「短剣が傷んだのが自動修復されていたのはストラデルの効果?どんどん硬くなっているのも」
「依代が傷むのが嫌だから我の成長に合わせて硬化し、修復もする」
「魔法の威力が上がっていくのも?」
「我が成長すると威力も上がる。だからどんどん成長させろ」
その後は、魔導書に記載されている魔法の内、初級で取り組みやすそうなものを相談する。
異常状態発生の≪毒≫≪睡眠≫が魔物討伐を含めた冒険に役立ちそうであった。その他には、≪呪詛≫≪解呪≫なども中級にあるが、中級では最初に≪召喚≫を、とストラデルは訴えてくる。
魔導書から≪毒≫「venenum(ベネヌーム)」、≪睡眠≫「somnum(ソンヌム)」の魔術語も学ぶが、水魔法など他の魔法のようにエミリーが習得していないため見本を見せることができないこと、練習相手が居ないことから習熟には時間がかかると思われる。
森にでも行って、危険度の少ない通常動物やEランク魔物などで訓練をする必要があると考えるサラであった。
□
夕食時に、サラはエミリーに故郷の遺跡の話を質問する。
エミリーも詳しくは知らないが、分かる範囲でと。サラの故郷の近くに遺跡があり、その遺跡を調査していたローラが村の狩人のレオンと知り合い結婚したこと。その短剣はその遺跡で発見した物であること。ローラは、世の中的には研究が進んでいない悪魔魔法を探求することで学者として一人者になりたいと言っていたこと、などである。
悪魔ストラデルから入手した情報は、本当はローラが学術研究したかったことだろう、とエミリーは悲しくなる。
墓参りも兼ねて、エミリーもサラたちに同行して遺跡に向かうことにする。
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