第407話 出陣前軍議2

帝国軍は1万人の規模であり、ロワイヤンの街には先発隊を含めて約3,000人が立てこもっている。ロワイヤンの街のまわりの砦は数十人~数百人が籠れる規模である。追加の援軍はヴァーヴ伯爵領以外からも含めて1,000人規模が複数で順次向かっている。

騎兵の割合は、帝国軍も王国軍も1~2割ほどで通常比率であり残りは歩兵である。


帝国軍はロワイヤンの街を無視して西に進むと、東に向かう援軍とロワイヤンの街に挟撃されることを懸念して、まだロワイヤンの北の平地に陣を構えているが、いつまでこのままか不明である。軍を分割して片方が西に進軍するかもしれない。


ロワイヤンの街の兵糧も、駆け付け優先だった先発隊の食い扶持を踏まえるとそれほど長くはもたないが、街に補給物資を持ち込むのも難しい状況である。




以上の戦況説明から、まずロワイヤンの街に救援物資を搬入すること、そして増援部隊の足が遅い理由である輜重(しちょう)の運搬を支援することの2点が重要であり、それがサラたち独立部隊の急務とわかるのであった。



地図を見るとロワイヤンの街は伯爵領都から通常の馬車で2週間の距離とのことであるから、戦馬バトルホースではその半分ぐらいで行けるかもしれない。


既に用意されていたロワイヤンに搬入する物資、荷馬車30台分を早々に魔法袋に収納し、途中の増援部隊への連絡役である軍使を連れ立って出発する。

ロワイヤンに向かう途中で遭遇する増援部隊の輜重(しちょう)のうち進軍遅延の理由である重い荷馬車約30台分までを順次回収していく。そしてロワイヤンに一番近い増援部隊のところにその途中回収した30台分を置いて行くのである。

突拍子もないそれらの細かい説明は、連れ立っていく軍使に丸投げをする。サラたちはひたすら走る、順次回収する、最後に置いて行くに注力するのである。

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