第657話 悪魔教団本拠地3

一方、トリストフたち7人も黒ローブ5人と悪魔3体を前に、それぞれが最大限に≪召喚≫を行う。水精霊シルビー、火精霊ヨルバ、風精霊ジョステル、土精霊ペクトーンだけでなく悪魔アエグルンまでもが複数体ずつ現れる。


「な!?」

悪魔教団の幹部たちも、≪召喚≫ができる者が珍しいことが分かっていた上に、自分たち以外に悪魔まで召喚できるものが居るとは想定していなかったので驚く。

ただ、さすが悪魔教団の幹部であり良くないことも含めて経験豊富であるので直ぐに我に返り、悪魔魔法の≪呪詛≫や≪魅了≫を悪魔たちと一緒に放ってくる。


当然に元暗殺者ギルドであったトリストフたちも経験豊富である上に、サラたちに指導されているので、簡単にやられたりはせず、一部メンバによる≪結界≫で全体を守りながら、短剣投擲など物理攻撃も織り交ぜる。

やはり≪結界≫は敵味方お互い様になり、自身の≪結界≫の外に出た瞬間で相手の≪結界≫や攻撃魔法を≪魔法消滅≫で消し、味方の≪結界≫に入り守られるという、気を緩めることができない戦いになる。


ただ、トリストフたちの方が精霊たちも含めて魔法の使い手が多いので、同時発動の能力を含めても手数が多くだんだん敵を追い詰めていく。さらにサラ特製の魔法回復薬により魔力消費を気にしないで良いことも大きな差になる。

そして決め手となったのは、カロルがペクトーンに指示した≪泥沼≫により、黒ローブたちの足場を無くした上での敵≪結界≫を≪魔法消滅≫したことにより、ドロドロになった洞窟の床に埋もれさせつつ、その瞬間での同時多発の≪霧氷≫である。宙に浮いた悪魔3体には効果は無かったが、悪魔魔法以外の習得が甘い教団幹部は≪浮遊≫や≪飛翔≫をせずに地に足をつけていたことが弱点となり、さらには≪泥沼≫など上級の属性魔法との戦闘経験が勝敗を分けることになった。


召喚主である黒ローブたちを≪氷結≫≪霧氷≫で拘束した後に≪睡眠≫で戦闘不能にすることで、召喚された悪魔3体も消えて行く。5人は眠らせたまま、何を隠し持っているか不明なため魔法発動体や装備だけでなく下着以外の全てを魔法袋にしまって拘束しておく。また祭壇付近にあった諸々も魔法袋に回収し、5人は眠って拘束したまま≪浮遊≫で連れ歩くことにした。

急ぎサラたちとの合流を目指す。

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