第656話 悪魔教団本拠地2
サラたち9人は、元悪魔教団の上級魔法使いしか知らなかった通路から進入する。
奥に大きな祭壇があるというので、そこまで≪結界≫と風精霊ジョステルによる先行案内により慎重に進む。洞窟を利用した割にはかなり複雑な通路で色々と仕掛けもあったが、元教団員による誘導のため迷うことなくたどり着く。
かなり大きな広間にでると、壁に悪魔をかたどったと思われる巨大な石像があり、その手前に祭壇、そして黒ローブの5人が待ち構えていた。教祖がいないこの悪魔教団を率いる長老たちであろう。
「おや、裏切者による誘導かな?アルテーラ王国に行っていたはずの3人が居るな」
「そうね、今は私たちの仲間よ。あなた達も観念しなさい。それより、龍の棲む山の向こう側、王国の辺境の森に行ったことがある人はこの中に居るのかしら?」
「ん?居ないはずだが、それがどうした?」
「どうもしないわ。大人しく捕縛されなさい」
「そんな簡単に話が進むとは思っていないよな?」
明らかに像であったはずの物が動き出し、悪魔ストラデルが警告する。
『あれはヤバいぞ。いったいどれだけの魂を捧げればあれほどの悪魔を呼べるのだ。あれは下手すると魔神の域だぞ』
「ほう、お前もなかなかの悪魔を従えているようだが、足元にも及ばないだろう?」
「こちらも簡単にやられるわけにはいかないのよ、特に悪魔教団にはね」
サラたち9人はそれぞれ精霊、天使、悪魔など可能な限り多く≪召喚≫する。それを見た教団側も、それならば、とゴーストが何体も現れてくる。上級の死霊魔法≪幽霊≫を使用したのだと思われる。
ならば、とサラも道中で入手したワイバーンの死体に死霊魔法≪腐肉≫を用いて、4体のワイバーンゾンビを生み出す。仲間しか居ないから、久しぶりの死霊魔法を遠慮なく使用する。
「なかなかやるな。お前、こちら側に来ないか?」
「ふざけたことを!」
「残念だな」
悪魔魔法の≪呪詛≫を含めた攻撃魔法が飛んでくるのを≪結界≫で防いだり、≪飛翔≫で飛んで避けたりしながら、こちらからも≪霧氷≫や≪爆炎≫などを発動する。
まだまだ先が長そうな戦いが始まったばかりである。
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