第658話 悪魔教団本拠地大広間

サラたちが戦っている大広間では、巨大な悪魔がその巨体ながら宙を飛び回り、≪爆炎≫などの各種属性魔法や、≪呪詛≫≪魅了≫≪石化≫などの悪魔魔法を同時発動してくる。


魔法の使い手は召喚された精霊などを含めるとサラたちの方が多いのだが、この巨大悪魔のために劣勢に立たされている。

黒ローブ5人のうち3人は≪飛翔≫ができないようであり、ハリーがその3人目掛けて炎の魔剣で攻撃を行っている。

もちろん互いに≪結界≫を含めた攻撃魔法、それを無くすための≪魔法消滅≫をするための補助として、ミーナ、精霊や悪魔ストラデル等もハリーについている。


敵が呼んだゴーストに対してはワイバーンゾンビが拮抗しているが、そのワイバーンゾンビに対して巨大悪魔の火魔法が狙ってきたり、逆にゴーストにはハリーの魔剣で攻撃したり、敵味方が大広間で入り乱れている。

互いに≪飛翔≫も行っているので余計に、どこからどのように魔法が飛んでくるか分からないので、数に勝るサラたちは精霊を最低1体ずつ身近について来させて周囲警戒をさせながら、隙をついて攻撃魔法を唱えさせている。


少し状況が変化したのは、≪飛翔≫ができない敵の黒ローブ3人に対して、≪泥沼≫と≪霧氷≫による拘束が成功したときである。これによりゴーストを操っていた者が居なくなったようで、ハリーやワイバーンゾンビに余力ができ、残る黒ローブ2人と巨大悪魔に相対したからである。

ただ均衡を取り戻したと思ったのも一瞬であり、今度は巨大悪魔がレイスを王級の死霊魔法≪死霊≫で複数呼び出したことにより、またしてもサラたちが劣勢になる。これ以上ワイバーンゾンビの数を増やすと、いくら大きい広間とはいえども≪飛翔≫で飛べる空間が減ることになり、強大な魔法を数多く放てる巨大悪魔がますます有利になってしまう。


一発逆転を狙い、巨大悪魔を召喚したと思われる黒ローブに集中攻撃しようとしても、防衛に専念していて≪結界≫を絶やさないので隙が無い。

仕方ないので、残ったもう1人の黒ローブに集中攻撃を行おうとするも、今度は巨大悪魔が邪魔をするので、なかなか均衡を崩せないでいた。

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