第659話 悪魔教団本拠地大広間2

サラたちが巨大悪魔を攻めあぐねていたところに、トリストフたちが到着する。≪浮遊≫で連れてきた捕獲した教団幹部は通路に放り出し、大広間の入口から参戦する。


まず、残ったもう1人の黒ローブに対して、本人と巨大悪魔が対応しきれないほどの数多くの≪魔法消滅≫を行うことで、≪氷結≫により拘束に成功する。

残るは黒ローブが1人と巨大悪魔、その巨大悪魔が呼び出したレイスたちだけになる。ワイバーンゾンビに捨て身でレイスを攻撃させると共に、トリストフたちが召喚した精霊たちにもレイスへ集中攻撃をすることで、いったんは広間を広くすることができ、それによりトリストフたちやその召喚した精霊や悪魔も広間に進入する。


巨大悪魔もこのままではまずいと思ったのか、召喚主である黒ローブを引き寄せると、広間中に範囲攻撃魔法≪爆炎≫≪爆雷≫≪霧氷≫などをとめどなく発動する。

上手く回避、もしくは≪結界≫で救えなかった、ワイバーンゾンビは地上に落ち、サラたち16人は精霊や悪魔たちと共に何か所かに分かれていくつもの≪結界≫で身を守る。

当然、巨大悪魔も≪魔法消滅≫を織り交ぜながらの攻撃であり、何度も≪結界≫を張り直す。こちらはいくつかの集団に分かれたため、自らの≪結界≫で守られていないタイミングでは攻撃魔法を飛ばせるのであるが、巨大悪魔の≪結界≫に阻(はば)まれている。


巨大悪魔の方も攻撃魔法の発動時には≪結界≫を解除するようであるが、完全な同時と同様レベルであるようで、周囲に≪爆炎≫を発動しておいてもダメージを与えている気配はない。


戦闘が長引いてしまったので、帝国軍がやってくることを懸念して、自分たちの天使と悪魔は姿を消しておくようにしておく。


「どうした?十何人も居て、この巨大悪魔には手も足も出ないのか?」

「そのようね。でもそんな巨大悪魔、いつまでも≪召喚≫し続けられないでしょう?」

「ん?時間切れを狙っていたのか?残念だったな。これは像を依代にこの世界に来ているから、俺の魔力消費は少ないぞ」


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