第520話 孤児院検討
王城の後は、ヴァーヴ伯爵の王都の屋敷の執事、魔術学校の学校長クレオンダのところ、貴族街のフェルールのところに行き成人の祝いの言伝、いったん帰宅してからミケラルド商会など付き合いのある所への挨拶など盛りだくさんであった。
それから翌週の呼び出しまでの間は、薬草と薬瓶を大量購入して調合、上級スクロールの作成とそれの納品の際に、納品先の店頭商品の≪高級鑑定≫など生産活動に勤しむ。留守の間にカーヤは火精霊ヨルバとの連携が上達し、大鍛冶での鉄鉱石の精製はサラが魔法でやるのと同等品質になったらしく、その作業は免除されている。
ミーナも昔に住んでいたスラム街の知り合いにしばらく顔を出していなかったためお土産を手に挨拶に行ったり、アルベール達も中級・低級スクロールを作成したりと忙しい日々であった。
その中でも、サラはローデットとも相談をしながら、孤児院への寄付や炊き出しなどにも足を運ぶ。元暗殺者のメンバの多くが、孤児から暗殺者ギルドに拾われて暗殺者になったという経緯を知ったときから特に考えだしていたことである。
ミーナと知り合ってからも漠然と思っていたことではあるが、だんだんと爵位もあがり多くのお金を貰うことになり、貴族として何をするべきかという自問自答である。
たまたま戦争があり戦力として貢献することも出来ているが、本来は、と。
昔からの冒険仲間であるハリー、リリー、カーヤ、そしてミーナと隣人のカーラ、またエルフで大人のティアーヌ。家宰のローデット、大人の夫婦デュドニとガエル。一度高齢で引退した元商人のクリストン。元暗殺者ギルドに居たトリストフとカロル、最近成人したディディエ。
これらの仲間たちに、手元に増えて行くお金を元に孤児院的な物の設立を相談する。
「もちろん、まだまだ知らない魔法を覚えて行きたい等の欲望もあり、たくさんのお金が要るのかと思うけど、それ以上に不相応な爵位とお金に対して何とかしたいという気持ちなの」
と正直なところを伝える。
仲間の皆からは
「いいんじゃない。協力するよ」
という旨の返事を貰い、涙ぐむサラであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます