第566話 天使対決
「天使をご覧になるのは初めてですか?驚いていますが。こちらは、マース様の眷属の天使シュリエル様です」
驚きつつも、サラは冷静に、結界の外にいる水精霊シルビーに≪氷壁≫でアッズーラを囲い込み、その周りに火精霊ヨルバによる≪火槍≫や風精霊ジョステルによる≪雷撃≫を落とすことで降伏を勧告する。
アッズーラは実力差を理解して降伏を宣言するが、使節団長カプラーノは
「神霊の力ではない精霊の力など、異教の力を認めるわけにいかぬ。アルメルス神国に帰り、教皇にコルマノン王国は異教の手に落ちたと報告させて頂く」
と騒いでいる。
国王や使節団のところに戻って来たサラとアッズーラであるが、国王と宰相に「何とかならないのか」という視線を向けられたと感じたサラは、
「こちらもご覧ください」
と姿を消していた天使マルカルロの姿を見せ
「知識・魔法の女神ミネルバ様の眷属の天使マルカルロ様です」
と紹介する。
「なんと、天使召喚も?また天使の力も活かして帝国戦を?」
「はい、敵の殲滅だけでなく怪我の回復にもマルカルロ様のお力を頂きました」
「なるほど。主神デメテル様の従神であるマース神やミネルバ神の眷属の天使たち。デメテル様のために引き続きお働き下さい」
マルカルロが怒りを感じているのを理解したサラであるが『何とか合わせて』と念話でなだめる。アッズーラの顔色も似た感じではないかと思われた。
「せっかくの機会である。先ほどの続きとして2天使同士で力比べを」
というカプラーノに対して
「いえ、マルカルロ様にはまったく歯が立ちません。もちろんシュリエル様の本来の力が劣っているわけではなく、私の≪召喚≫の力不足のためでございます。お許しください」
とアッズーラがこの場をおさめて終わる。
その後は、第1騎士団による揃った軍隊行動の実演などがあった後に解散となった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます