第817話 不審人物詮索

師匠エミリーにも龍牙兵を1体プレゼントするのに合わせて、今回の経緯を話す。


ちなみに、やはり牙と歯では龍牙兵の強さは違った上に、ドンに貰った歯と今回に狩った普通サイズのドラゴンの歯でも強さが違った。ともに牙はBランク、歯はCランク程度のようだが、ドンの物ではそれぞれの上位で、通常ドラゴンの物では中位というように、元のドラゴンの強さにも依存するようである。


「龍牙兵とはまた面白いものを。しかし、そのロンという人物は何者なのかな。そんな魔導書を入手できるとは。私も読みたかったが」

「流石に写しをとることはできなかったけど、覚えた範囲のメモはこれね」

「サラ、ありがとう。カーラもこれくらいしてくれたらいいのに」

「サラほど記憶力が良くないものでね」

「それより、カーラの店の客人というのに、その人物情報などは本当にないのか?サラの誕生日パーティーで私は合わなかったからな」

「お金があり、魔法や魔道具に深い知識もあり、サラの誕生日パーティーに来られる貴族か豪商。サラが何者かを知っていても敬語ではないということは貴族なんだろうが」

「そのような条件で、さらに見目が良く若い男性で上位の貴族と言えば、ローデットならわかると思ったのだが、招待したリストに該当する貴族は居ないらしい」

「さすがに幽霊でも無かろうに、いったいどういうことだ?」


答えが出ない議論は適当なところで切り上げて、エミリーとカーラがドラゴン素材を他の魔道具にも使用するアイデアを議論し始める。一般人とは違う同好の士が3人も居るので、一緒に皆で夕食を取るまで話は終わらなかった。


ドラゴン素材として、牙、爪、血、鱗、骨など色々なものがあるが、まず骨や鱗は軽くて堅いボーンアーマー、スケイルアーマーに。爪も様々な武器に使用できる。

ただ、特に師匠エミリーとサラは魔法回復薬の調合士であることから、回復薬の素材に使ってみる話になる。かなり高級な魔法薬の素材になったという伝承があるためである。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る