第816話 龍牙兵3

無事に龍牙兵を起動することができ、様々な実験ができた。

「サラ、カーラ、今日は非常に有意義な時間を過ごすことができた。サラが起動した方の龍牙兵はお礼に貰ってくれ。こちらは俺のものだな」

ロンはお礼を言って、龍牙兵を魔法の袋に収納して去って行く。


ロンが去って行ったので、それを待っていたハリーが

「そもそも龍牙兵ってなんだ?あいつは誰なんだ?」

と矢継ぎ早に質問をしてくる。

カーラもサラもロン自体のことは知らない旨と龍牙兵について説明する。

「おいおい、軍勢を作りたい放題ということか?そりゃすげえな。ドンの牙や歯を貰ってばかりいたらかわいそうだから、龍の棲む山にドラゴン狩りに行くか?」

非常に楽しそうである。


そう思ってハリーを見ているサラ自身も、自分自身が武器を持って戦うのは苦手であるので、自由に呼び出せる護衛として頼もしいことからいくつかストックを持っておきたいと考える。また魔石で主を指定できるならば、戦闘力が無い者の護衛に渡しておくのにも使えそうである。

その日の夕食で皆と食事をしているときにその旨を共有すると、ドラゴン狩りへの賛同者も多く、魔法の袋に1体ずつだけでも保管しておきたいという希望が多かった。特に魔術師団員はサラと同様に近接戦闘に巻き込まれたときの護衛として、自身で魔力充填もできるために欲しいようである。

離れて暮らす父兄たちのところにも1本置いておくことを考える。万が一に魔物が村を襲撃した際に、時間稼ぎにはなるであろう。


ドラゴンの大きさにもよるが、牙でない歯でも良ければ数十本は1体ごとに確保できると見込まれるが、せっかくならば余裕を持って確保しておきたい。

ただ、流石に十分な戦闘力が無いメンバを連れて行くわけにいかないので、サラの冒険パーティーでもあるハリー、ミーナ、アルベール、リリアナ、ティアーヌの5人や魔術師団員のトリストフやカロルなど金級冒険者と、従魔のドラゴンのドン、ワイバーンのワンの限られた者たちで、龍の棲む山に≪転移≫を使って日帰りで狩りに行く。

ワイバーンの棲み処の少し上にて遭遇した、ドンに比べると少し小振りの普通サイズの3体を狩って来て、サラは膨大な牙に加工をして配布する。また、カーヤたちに頼んで、発動したときの剣と盾も合わせて配布しておく。

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