第748話 アルテーラ王国援軍要請

王都ゴルガに到着するも、サラは国王へ直接の面識はないので、第3王子の付き人であるエドガルド・タカマーノ騎士爵に第3王子への面会申し込みを依頼する。

「サラ殿、ゴルガに来てくれる決心をしてくれたのか?」

「ダニエーレ・ロリアルド・アルテーラ王子殿下、申し訳ありませんが、そういうお話ではありません」

教皇と宰相を紹介し、教皇から依頼を話させる。アルテーラ王国は、神国に対して特に悪感情も無いのだが、逆に縁も深く無いので考え込んでいる。手段についても、≪転移≫という魔法の説明をしてあるが、支援の見返りが未定であることも説明した。

「もちろんサラ殿のお話、無下にしたくは無いのだが・・・援軍と言えば我が陸軍であろうが、他国への出兵については父、国王や重臣たちの判断になる」


想定した回答であったので、国王への面会の取次ぎを第3王子にお願いする。他国の元首が緊急の依頼ということで翌日午前に設定されたので、既に夕刻であったこともあり教皇と宰相をそれぞれの国にいったん≪転移≫で連れ帰る。

サラもロージアンの仲間たちと合流して話を聞くと、村々へ進んでいた魔物たちも、その手前でサラたちに膨大な被害を与えられたこと、ロージアン周辺もそれなりに被害を受けていることから、アルメルス神国の内部への侵攻の速度は少し鈍化している模様と聞いて、少しだけ安堵する。


翌日、首都ダラムによって王国からの使節団や神国幹部にその状況を伝えた後、神国幹部には睨まれながら教皇を連れて、コルマノン王国の王都ワーズに≪転移≫する。宰相と合流した後は、アルテーラ王国の王都ゴルガに飛んで、アルテーラの国王ヴェラルド・ドメニアノ・アルテーラと面会を行う。

「教皇自ら足を運んでいただいての依頼、理解はしたのだが、支援で発生するであろう我が国の被害も踏まえたときの得られる物が不明なまま即答はできない。幹部たちと議論して回答とさせて頂く」

検討結果は、王都ゴルガにあるサラの屋敷の使用人に預けて貰うことをお願いした上で、コルマノン王国の王都ワーズに教皇、宰相、サラの3人で≪転移≫する。

国王リチャード・ザール・コルマノンに教皇が面会をするためである。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る