第221話 31階探索

翌朝は神殿とカーヤの実家により、大量の食糧や魔法回復薬を持って31階の草原に向かう。


10日ほど日帰りを繰り返したが、敵の多くなるボス部屋相当のエリアは見つけられていない。方向は運任せで、地図を作成しながら遠征する。岩場を見つけると、地図の目印にするだけでなく、宝箱を探すのと野営場所として活用する。

この31階になってからはまだ別冒険者を全く見かけない。Bランク魔物と同等に戦える銀級以上の達人と言われる冒険者が、一人前とされる銅級に比べて圧倒的に少ないのも理由かと思われるのと、1階層ごとが広くて迷った場合の危険度が高すぎるからであろう。

ますます宝箱への期待が増す。


東に向かって4日で壁に行きついたので、最初の部屋はかなり西寄りであったことが分かった。次は北に向かってみる。ここまでに発見して中身があった宝箱は1つだけで、魔石により光る灯り台のようであり、きっと貴族や裕福な商人などの家に引き取られていくのであろうものであった。

北には3日で突き当り、今度は西に向かう。予定通り5~6日で突き当たったので、3日ほど南下してから東に戻り、一度街に戻る。もうダンジョン改変の時期だからである。


「うー、やっぱり、広すぎだ。なかなか次の階には行けないー」

「だから、最大到達階数が36階だかで終わっているんじゃない?洞窟タイプなどなら何ヶ月かかることやら」

「でも、成果はあるね」

「マンティコアの素材以外には、灯り台と、何らかの籠手、何らかのローブの3つも魔道具が手に入ったからね」

と愚痴はありながらも、成果に満足している。


出口の後は素材と地図を売却して、魔道具屋に鑑定を頼む。ロック鳥ガンは大きくなりすぎて、店の屋根で待機させる。

鑑定結果は、魔石を動力に光る灯り台、筋力向上の籠手、防御力向上のローブであり、それぞれ魔法陣をメモしてから売却、カーヤが装備、サラが装備することにした。

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