第222話 31階踏破

ダンジョン改変の翌朝、また大量の食糧や魔法回復薬を持って31階の草原に向かう。今度は30日丸々を踏破のために使うので、32階に行けることを期待している。


前回と同様に東、北に突き当たるまで進むことで、最初の部屋と現在の位置把握をする方法を選ぶ。今回は階層でも北東角に近い場所であったようであり、当てずっぽうで南西方面に斜めに進むことで、下階段近くの敵の数が増えるエリアを探してみる。


3週間、20日弱ほど経ったころに、マンティコアが5匹ずつ、しかも頻度が多く遭遇するエリアに出くわす。さすがにBランク魔物の巣に挑戦する自信はないため、戦闘にならないように気をつけながら階段を探す。ロック鳥ガンが上空から探すので最初に階段を発見できた。


32階の光る床から出口に向かい売却したマンティコアの素材は千匹には行かないが、それに近い何百匹もの数になっていた。また、貴重な31階の地図も高く買い取られた。

で、お楽しみの宝箱であるが、魔道具屋の鑑定結果は、再度の筋力向上の籠手、器用さ向上のイヤリングのみであり、それぞれハリーとリリーが装備する。



次の32階の地図は一部でも販売は無かったが、建物内タイプの遺跡でレイスが出現するという情報は入手できた。

レイスにはロック鳥ガンの攻撃が通じないため留守番して貰うしかなく、今回大量に入手したマンティコアの肉と一緒に、カーヤの実家にあずけることにする。


しばらく籠っていたので武具の手入れが大事であることと英気を養うため1日は自由行動にすることにした。

32階もダンジョン改変までは日帰りで挑戦、とするために食料の買い込みはそれほどにしないが、サラは消費した魔力回復薬の薬草は大量に購入して調合にあけくれる。リリーは入手した素材で毛皮加工の修練、ハリーとカーヤは冒険者ギルドで体術上級の≪縮地≫を学ぶ。これは中級≪俊足≫よりも素早く動くものであり、次のレイスとの戦闘時には移動力が重要になる可能性を考慮してのものである。

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