第548話 ドラセム家従士団
ハリーは王国騎士団の話を知れば知るほど、ドラセム家の従士の強化と編成を気にするようになった。
ローデットと相談し、サラとティアーヌを呼んで、打合せをする。
「今までは、サラは冒険者が主の未成年の貴族だったというのもあり、色々と見逃して貰っていた。魔法使いばかりの独立部隊として自由行動をした上で成果を出していたけれども、これからも同じで許容される分からないよね。領地持ちではないけれど、魔の森の開拓地という特別扱いもあるのに、ドラセム家の従士団、騎士団を作らなくていいのかな?」
とハリーが課題提議すると、ローデットも補足してくれる。
「ハリー様の仰るように、もっと従士を拡充して、王国第2騎士団にドラセム伯爵家から供出する際に恥ずかしくないようにする必要があると思います。ただ、ドラセム家の場合には、他家と違って魔術師団が存在します。王国魔術師団は王国騎士団のように近衛、第1、第2と分離されていないので、第1と第2のない近衛のみ魔術師団のようなものですが、ドラセム家の場合には第2魔術師団を1家のみで供出する形になると思われます」
「私が呼ばれたのはそういうことなのかな」
とティアーヌはつぶやく。
「はい、私案ですが、こういう形はいかがでしょうかと。ドラセム伯爵家の従士団全体の長である従士長はハリー様で、そのハリー様の下(もと)に、ドラセム伯爵家の騎士団と魔術師団に分けます。中級以上の魔法を扱える場合には魔術師団に振り分けるのを基本としながら、本人の希望・適性をもって判断します。騎士団長はハリー様が兼務、魔術師団長はティアーヌ様です。騎士団は、近衛騎士隊と代官地護衛隊に分けます。いかがでしょうか」
と説明するローデット。
「近衛騎士隊と代官地護衛隊の隊長はどうするの?代官地護衛隊は元々リーダーだったアルバジルかな」
というサラの疑問に対して
「ディディエが魔法よりも剣が得意そうだから、近衛騎士隊長はディディエかな」
とハリーが答える。
「そうね。元暗殺者の12人の能力を一度棚卸して振り分けするのかな。ミーナ、アルベール、リリアナ、トリストフとカロルは魔術師団だろうけど。それにますます人数不足が明らかになるから、補充を考えないとね」
とサラも理解する。
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