第547話 王国騎士団

ときどき王国魔術師団に訪れることになったサラに同行するハリーとティアーヌ。

ハリーは従士長としての意識と、年頃の男の子としての想いもあり、騎士団の存在は気になる。


そこでローデットや現地の事務官の人に色々と教わる。まとめると次の通り。


基本的に領地持ち貴族だけが私有軍を編成でき戦争時に軍役がある。貴族の騎士爵の意味の騎士では無いが、この私有軍でも騎士団と呼ばれることもある。領地持ち伯爵以上には、私有軍とは別に寄子による騎士団が存在する。寄子はそれぞれ自身の立場に応じた数の騎兵・歩兵等を供出するため、あくまでもこの騎士団は寄合で一体感は薄れやすい。私有軍の方が装備も統一して一体感がある。


王国軍も同様で、王国第1騎士団は王家直属で、領地持ち貴族の私有軍のようなものであり、厳密には国家ではなく王家から俸給を支給している。団長は王族がなり、基本的には王太子以外の王子が多い。財政的に余力があるため、装備も緑色を基調とした一体感あるものであり、日々訓練をしているため戦闘能力もそれだけある。貴族としての騎士爵も居ないため、全員が平民である。ときどき魔の森へ魔物の数減らしのために出征するのもこの騎士団である。

王国第2騎士団は王家への寄子的な存在である法衣公爵・侯爵・伯爵がそれぞれ自身の立場に応じた数の騎兵等を供出した騎士団であり寄合になる。団長は王族の親戚である公爵かその嫡子がなる。戦争時などに召集されるのが主目的で、常設の拠点も無く日々の訓練は供出元の貴族の責任で行い、たまの閲兵式などが全体訓練になるぐらいである。装備も供出元の貴族ごとにバラバラになり、能力もマチマチである。

王国近衛騎士団は、王城内や王族が外出する際の護衛が任務である。貴族の嫡子以外の男子の就職先の一つであり、頭脳労働が得意であれば官僚に、肉体労働が得意であればこちらになる。団長は王太子がなることが多い。装備は白色を基調とし統一感はあるが、訓練の質は第1騎士団に劣り、能力もそれなりで個人差が激しい。

王都の騎士団宿舎や騎士団練習場は、近衛騎士団と第1騎士団のためである。



近衛騎士団は白色で華やかで分かりやすく、たまに見かけると目を引きハリーも喜んだが、訓練の質が第1騎士団に比べて見劣りするため、正直見た目だけと感じるのであった。

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