第639話 代官地再整備

新たに騎士団が26人も増えたことや、木工ドワーフのベンノが増えたこともあり、開拓地を広げることにした。


また川沿いに北に広げるため、そのエリアの木々を取り除くのであるが、今回は新たに習得した魔法≪泥沼≫を試してみることにした。

目当ての木のまわりの土を≪泥沼≫でドロドロにして、木に結び付けていた綱を引くのである。そうすることで切り株も残らずきれいに整地ができるという見込みであった。ハリーが帰って来たことを喜ぶ大きくなったワイバーンのワンや、バトルホースたちの力も使うと、綱を引くことも容易であり、かなりうまく行った。

さらに、今までは≪土壁≫や≪岩槍≫の応用で開拓地を整備していたが、≪石壁≫により綺麗で丈夫なものが作れるようになった。


そのような作業をしている合間に、代官地の護衛を任せていたアルバジルから報告を受ける。

「実は、盗賊が襲って来たのを撃退していたのですよ。何かめぼしいものがあるかと思って来たようでしたが、代官地護衛隊だけでなく、訓練中であった第1騎士隊の皆さんと一緒にあっさりと撃退したので、まったく問題にはならなかったのですが」

と言うのである。

「その盗賊たちを売り払ったお金は、第1騎士隊の皆さんと飲んじゃいましたが」

と笑って言うので、まぁ無事だったので良かったと思いつつ、今後発展をしていくと同様のことがありえると不安になり、≪石壁≫による防御も頑丈にしなくては、と思うのであった。


石壁で敷地を囲うために≪飛翔≫で上空から観察していると、意外な物を発見する。今までは川の東側の魔の森を開拓していただけであったが、川の西側にいくつか建屋が出来てきているのであった。

このままでは、敷地を北に延ばすと所々で川側に出入口と橋を作ることが問題になるかもしれないと、その建屋に話を聞きに行く。

「今までは魔の森が怖くてこの付近に店を出せなかったのですが、川の東側にしっかりした砦が出来たようなので、このように西側に乗り出してきました」

というのである。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る