第640話 代官地再整備2

この小川、川幅は5mほどで、一番深くても水深1m程度なので、最悪は馬でも渡れないこともないが、できれば橋をかけたいと思うところである。


早速王城に行き、官僚に相談すると

「あくまでもドラセム家に許可されたのは小川の東側の開拓などであり、川およびその西岸は国家の裁量である」

との回答であった。

家宰ローデットの情報収集によると、どうも王都が手狭になって来たので、副都として整備しようと官僚たちが企んでいるらしいとのことであった。


宰相に相談すると、

「あれらの言い分もわかるし、こういうのではどうかな?」

と、川にかける橋はドラセム家が整備して維持も行う。また、橋の幅とその幅に合わせた道を西側でも開けて都市計画を行う。その橋の位置と道幅などは、官僚たちとドラセム家で相談して決める。という物である。

またしても宰相の良い様にされている感もあったが、素直に従うことにする。


早速その話を官僚に持ちかけて、都市計画に従って、サラたちの開拓地における橋の位置や幅なども決めることになった。

これで、開拓地で自由にさせるバトルホースたちに乗って、川の西の広大な草原にでる経路も確保できることになったので、良しとする。またその副都が栄えると隣接地に居住する自分の仲間たちも便利になると思われたからである。

ただ、開拓地に仲間だけでない人たちが住み出してそこも対外的には副都の一部とみられるようになるのが官僚たちの将来構想だとは思っていなかったサラたちであった。


橋を石で作りたいこともあり、石工であるベンノの母に色々と相談すると、ドワーフ村には石造りでの街のつくり方に知見がある人が居るという。

さっそくドワーフ村に転移してその人にお願いして開拓地に連れてくる。≪飛翔≫で上空から俯瞰状況も見せた上で、都市設計を相談する。

「完全に一から自分の思い通りに考えていいのか?しかも石材や木材も含めて材料は使い放題?職人魂を刺激する。ぜひやらせてくれ!」

と返事を貰える。

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