第384話 フェルール誕生日

下期も始まり1ヶ月と少したった頃、フェルールの誕生日になる。


王都にあるフェルールの実家、ヴェシン伯爵家の屋敷で誕生日会パーティーをすることになり、サラはリリーと共にドレスなどのオシャレな装いをして、ハリーの御者による貴族用馬車で訪問する。


いつものフェルールの取り巻きである男爵令嬢ディアリス・メーヌ、騎士爵令嬢アリアンヌ・ガニーだけでなく、当然フェルールのおもり役のような騎士爵セドリック・ブレイユ、騎士爵令息ジルベール・パント、ランベール・パントも居る。

それぞれパーティーの装いであり、男性3人は年頃の女性たちからの熱い視線が集まっていた。


頃合いをみてサラはリリーとフェルールのところへ移動する。

「フェルール様、お誕生日おめでとうございます!」

「サラ様、リリー様、お忙しい中のご参加ありがとうございます」

と、周りの目もあるのでクラスメイトとしてのある程度くだけた気楽な会話ではなく、表向きの挨拶を行う。


ただ、持参したプレゼントは開梱されるまでは他人に分からないことを良いことに、貴族らしい宝飾品等ではなく、冒険を再開しているのでそれに役立ちそうな、特級の魔法回復薬、フェルールが扱えない中級魔法≪氷刃≫のスクロールにしてある。



その後は、サラとリリーは少し離れたところで落ち着いていると、ディアリスとアリアンヌが寄ってくる。

「サラ様、下期からは授業が別のものも多くなりあまり会えずに残念ですわ」

「また魔法のご指導をお願いしたいです」

との話になる。

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