第13話 友人


サラが目の前で≪水生成≫魔法を使用したことで、ハリーもリリーも一瞬固まった後、

「ほら、やっぱり魔法だった!」

「そんな。魔女なんてそこら辺にいるわけじゃないのよ」

と騒々しい。


「じゃあ、さっきは何をしていたの?」

「訓練」

というように、好奇心の塊で遠慮のない同年齢の子供二人に詰め寄られて、ぼそぼそと回答をすることになったサラ。


そういうやり取りで、二人が領都の宿屋の子供であり、宿に泊まる冒険者たちにあこがれて育ったことを知る。サラは領都で魔女エミリーの店舗兼住宅で暮らしながら見習い魔女の訓練をしていることを話した。

また三人とも木級冒険者であることや同年齢、ハリーが10歳、リリーとサラが9歳であることを知った。

今日ハリーとリリーは、剣と弓の訓練で森に来て、野ウサギなどの小動物を相手に訓練をしていたこと、その途中でハリーは足を滑らせて右腕に小さな怪我をしたことも話した。


その会話の間、サラが傷回復用の葉を採取していると、二人も真似して採取を始め、他を傷つけない方法も実例を見ながら習得した。


そうこうする間に時間も過ぎ、三人とも領都に帰る時間になった。ハリーたちからは、お礼として薬草の葉を渡され、サラは野ウサギを返礼に渡した。

ハリーたちは獲物を実家の宿屋の食材に提供することで、訓練がてらの狩りを許されているとのことであった。


引き続き色々な話をしながら、サラはあまり発言しないが、領都に連れ立って帰り、門に入ってから分かれた。


冒険者ギルドでの買い取りには、昨日よりも多くの薬草を出すことができ、70銅貨になった。


サラは寝付く際、意外と楽しかった新たな友人二人との会話を思い出して微笑むのであった。

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