第156話 巨蟻
水精霊シルビーが帰った後、サラは魔剣ストラデルから、悪魔魔法も早く習熟して自分も召喚できるようになるよう催促される。
翌朝も神殿に祈りを捧げた後、ダンジョン11階に向かう。
ここと次の12階は洞窟エリアであり、ハリーの盾に光魔法≪灯り≫を使用して、地図に従い進む。出現する魔物は巨蟻ジャイアントアントのみとの情報である。
地図では最初の部屋が北東であり、次の階への入口が真ん中より南西側であり、直線でもほぼ1日かかるところであり、洞窟の曲がりくねりと戦闘時間を踏まえて2日は覚悟している。
地図を見ながら極力部屋には入らずに通路だけを通ろうとするが、他冒険者の戦闘中を回避する場合や、昼食等の休憩時間には部屋を使うことにした。
巨蟻はだいたい数匹で遭遇するが、骨格が硬いため、ハリーたちの攻撃でもできるだけ≪炎付与≫か≪斬撃≫など魔法や武技を使用することになった。
さらに水精霊シルビーも実戦練習として召喚して≪氷刃≫を複数発動させたり、師匠エミリーも使っていた≪氷槍≫や≪氷結≫という上級魔法を1発ずつ発動させたり、色々と試した。
召喚以外にも、サラは複合魔法の準備段階のため、≪氷刃≫か≪火炎≫を同時に2発動するの並列処理の訓練も実施する。まだ水魔法と火魔法の同時発動は難しいが、同じ水魔法を2つ等は確実にできるようになってきた。
これらはときどき失敗したとしても、相手の魔物はDランクが数匹程度であり問題ない範囲であるので、実戦レベルにはちょうど良い。
ハリーも片手剣の≪連撃≫を2連だけでなく3連ができるように、リリーの弓の≪連射≫も3連ができるように実戦訓練をしている。
野営で1泊して、11階の終わりに近づくにつれ、巨蟻の遭遇回数も同時の出現数もだんだん増えて来た。やはり蟻であり集団行動が前提であるからか、12階への階段付近には女王蟻の取り巻き相当か、ひときわ強そうな護衛蟻のようなものと、今までも遭遇してきた通常蟻の大群が待ち構えていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます