第618話 ドワーフ引越2
家宰ローデットが、以前から調整していたこともあり、今の店舗の隣との交渉を早々にまとめ上げたので、ベンノの両親はそれほどの時間をかけずに王都に再度引越する。
カーラの魔道具屋、サラ・リリー・カーヤたちの魔法回復薬/スクロール・皮革製品・金属武器の店、ベンノの両親の金属防具・石工の店という順に並ぶことになった。
ベンノの両親にはミケラルド商会にも顔合わせを行い、この店舗以外にミケラルド商会の大店舗にも納品することで生活の術は確保する。また、ドラセム商会の一員としての薄青ローブを必要な時は着用するようになった。ドラセム家の紋章を左胸に銀色で縫い込んだローブであり、リリー、カーヤたちともお揃いになる。
また、カーヤはカーヤで、ドワーフ村のベンノの元実家を拠点に、新たな師匠に師事することになった。転移陣の利用にはかなりな魔力を必要とするため、サラたちに頼むか高ランク魔石もしくは低ランクでも多くの魔石を使用することになるので、頻繁に通うことはできないので、都度宿題を与えられて王都で自習した成果をチェックして貰う形になった。
既に上級レベルの技術があるからのやり方である。
これらの段取りを終えたサラたちは、アルテーラ王国の王都ゴルガに戻ることにした。
せっかくドワーフ村に来たので、例えばハリーは騎士団メンバへのお土産としていくつか武具を購入していた。
一方サラたちは村長に頼まれた、村民の病気や怪我への回復魔法や魔法回復薬の納品などを行っていた。魔法後進国であるアルテーラ王国の、さらに魔法があまり得意でないドワーフたちの村民たちであることから非常に喜ばれ、魔法使いでも扱いやすい質の高い短剣や服飾品などを貰うことになった。
ドワーフ村を退出する最後に村長宅に挨拶に行こうとすると、村の大通りを豪勢な馬車が村内と思えない速度で駆けていく。村の中であるから油断していたのでハリーたちも回避するのがギリギリになってしまった。
「危ないなぁ」
「本当に品が無い」
とハリーたちが話していると、村民たちが無言のままコッソリたしなめるような表情をする。村民たちは誰が乗っているのか分かっているようであった。
馬車のまわりの護衛である騎兵から、にらみつけられたハリーではあったが、馬車が先に進んでいるため、護衛もそれに付いて行く。
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