第439話 帝国訪問途上
ヴァーヴ伯爵領都サイユの後は、戦場になったロワイヤンの街に向かう。
ここでも通常の馬車で2週間のところを少し多めにかかったが、無事に到着する。
正使、副使と共に代官に正式な挨拶をした上で、帝国軍の司令官と副官以外の幹部であった捕虜を受け取る。当然馬車の数も増えるため、ロワイヤンの街からの護衛隊もそれだけ数が増える。また代官親子も同行するため旅団に加わる。
代官からは別途、子爵への陞爵への祝いを言われるが、代官からのサラたちの功績報告のお陰でもあるので、サラたちからもお礼をいう。
いよいよ帝国領に入る手前最後の街であり、ここでも2日の休憩となったが、行く当てのないサラたちは、自分たちも協力して守ることができた街のにぎわいを感じるためという言い訳のもと、ある意味趣味になりかけの魔道具店や武具店の巡回にいくのであった。
特にこれぞ、という物は見つからなかったが、サラは最近採取が出来ていない薬草や薬瓶を大量に仕入れることにより、また暇な道中で調合をすることにした。
2日目は街の外に行き、道中で大人しく練習していた魔法を、遠慮なく発動することにした。サラは≪霧氷≫と≪爆炎≫、ミーナたちは≪灯り≫などだけでの同時発動数の訓練であったのが≪火槍≫などの同時発動訓練などである。ハリーは魔法訓練というよりは従魔のロック鳥やバトルホースたちと駆けずり回る肉体的解放を重視したようである。
そこから国境までは、サラたちも一般兵士の捕虜売却などで行ったことがあったが、それより先は初めての道であり、しかもまだ休戦協定を結べていない敵国の中であるので、今までのように魔法訓練などではなく、≪筋力向上≫などいつでも戦闘になっても大丈夫な物を発動し続けながら、周囲警戒をすることにした。もちろん何かあったときにはこの道を逆にかけていく必要があるため、その観点でもサラたちは馬車の窓からでも外をしっかり見ておくのであった。
当然に事前通知をしていたので、帝国側から案内人として騎士が2人先導しに来ている。
旅団の人数が多いこともあり、小さな村などでは不要な衝突をさけるため野営を行うなど敵国であることから多くの気をつかいながら、帝都までたどり着く。ただの旅であれば、街ごとの冒険者ギルドや魔道具店を見てまわりたいところであったが、我慢することになった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます