第468話 けじめ2
食事時に騒ぎ立てる者たちに気分を害されながら庭に出てきたサラたち。
ただ、デュドニとガエルがおびえているので、同じ従業員棟から出てきたミーナやティアーヌたちがその前に立つ。
「やっと出てきやがったな、デュドニとガエルよぉ」
「お前たちは何者だ?ここが子爵の屋敷とわかっての狼藉か?」
と警告するハリー。自分の役割と思っての発言であるが、ならず者たちには響かない。
「子爵だろうが何だろうが知らねぇなぁ」
「俺たちの仲間がその夫婦に殺されたのだから、そのけじめに来たんだよ」
「2人はもう裁きは受けている。それに2人の娘さんへのことは棚に上げているのか?」
「そんなの知ったことじゃねぇ。その2人に死んでもらわないと俺たちの顔がつぶれたままなんだよぉ」
とデュドニとガエルの方に進みだすならず者たち。
立ちはだかるミーナたちにも抜身の片手剣を振りかざすので、呆れたサラが≪霧氷≫で拘束し、その後は皆が縄で縛りあげるのと並行して衛兵を呼び、連れて行かせる。
特に誰も怪我も無い中で、デュドニとガエルのみが皆に謝り倒すが、誰も2人が悪いと思っていなく、食事の続きに戻ろうと、先ほどまでのことは忘れてしまった。
翌日、衛兵が後始末の報告に来る。サラ、ハリー、ローデットが話を聞くと、
「剣を抜いていた者は犯罪奴隷に、抜いていなかった者が鞭100叩きで解放となりました」
「抜いていなかった者の方が、あの集団のリーダーで悪い奴だったと思うんだけどな」
「我々も悔しいのですが、その結果になってしまいました。こちらをお納めください」
と、いつものように奴隷として売却した売上と、彼らの装備品などの売上であった。
同じころ貴族街の屋敷で、そのならず者のリーダーであった男が不貞腐れてベッドに寝ている。先ほど、父親に叱られた言葉を思い出す。
「お前は何という馬鹿なことをしたのだ。あのドラセム子爵は、先の帝国との戦争で大活躍した魔女だぞ。我が家をつぶす気か?衛兵から、鞭100叩きで瀕死なお前を迎えに来るように連絡が来たときは、いつもの悪さかと思ったが。ここまで馬鹿と思わなかった。もう面倒をみられない、勘当だ。今日中に出て行け」
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