第148話 ゴブリンスケルトン
10階への階段への半分ほどの行程を終えたところで野営をすることにするが、もう半日ほど歩いた先にはゴブリン村があるため、警戒を十分にする必要がある。
先日の魔鼠と蝙蝠の骸骨スケルトンをまた見張りにすることも考えたが、道中で多くのゴブリンの遺体が手に入ることから、ゴブリンの骸骨をつくることを考える。
また、ゴブリン村にはEランクとはいえ多くのゴブリンが居るはずなので、安全のためこちらの戦力を向上するためにも、ゴブリンスケルトンの使役に挑戦する。
本日の午後は9階の半分ほどを進むのと合わせて、遭遇したゴブリンたちの死骸をサラの魔法の袋に収納していくことにした。どうせ骸骨にするので、討伐証明の右耳や魔石は回収し魔剣による吸血も実施した上である。また所持していた武器も低級ではあるが確保しておく。
遭遇するのは数匹ずつであり、半日で20体ほどの死骸を入手できた。
森林エリアではあるが所々にある岩場を背中にして野営する。
焚火によるハリーの料理を味わって、武器の手入れなどをした後、サラはゴブリンスケルトンの準備を行う。
魔剣ストラデルにいくつか確認する。
『何体まで同時に使役できる?』
『自分と相手の強さによる』
『今の私でのゴブリンの最大数は?』
『4であろう』
さっそくゴブリンの死骸に対して順次
≪骸骨≫
の魔法をかけて、ゴブリンスケルトンを生成していく。最初の2体は失敗であったが、3体目からは成功し、その後続けて4体まで生成できた。≪骸骨≫の魔法を連発するとかなり魔力を消耗するようで、魔力回復薬を使用しておく。
さすがにゴブリンスケルトンを4体もそのまま並べていると他の冒険者とトラブルになりかねないため、2体は魔力を抜いて魔法の袋に戻し、2体だけに元の武器を渡して木陰に隠して見張りにする。
その夜は襲撃されることもなく無事に朝を迎える。ダンジョンの中なのに昼や夜があるのは改めて違和感があるが、そういうものと納得しておく。
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