第757話 ガーライト王国援軍条件
「そうだ、ガーライト王国の掟は、強さが全て。強さを見せて貰おう」
国王アルミーノが提示して来た条件は、王都ムリンから南西の山に住み着いたという魔物の討伐というのである。
当然、通常の魔物であるわけが無くドラゴンであるという。Aランク魔物のレッサードラゴン等ではなくSランクの正真正銘のドラゴンであるという。
「俺ももともと冒険者でSランクであった。銀龍も今はAランクらしいがそろそろSランクの称号が必要なのではないのかな?」
とても国家元首とは思えない顔である。
「それは、1人で討伐してくるように、ということでしょうか?」
「まぁ途中までは同行者も良いが、討伐はちゃんと1対1で、な。情報通りならば色んなものを≪召喚≫できるのだろう?」
こうなってはよろしく頼む、と教皇と宰相に頼まれてしまい、断ることもできないと諦める。城から出て教皇と宰相をそれぞれ≪転移≫で送り届けた後には、コルマノン王国の王都ワーズから家宰ローデットを呼び寄せて、この王都ムリンでの屋敷の調達とそこの家政婦にする女性奴隷2人を調達させる。合わせて、このムリンまでと同様に3交代制でのルート確保を≪飛翔≫ができる6人に任せるのと、冒険者ギルドでドラゴン退治の依頼を受けつつ情報収集を行う。
冒険者ギルドでも、ドラゴンが現れてふもとの放牧地の家畜たちがエサにされているという情報があった。ただし、国軍が集められて国王自ら討伐に向かうということで、冒険者たちに依頼は出ていなかったらしい。今回、王家からの指名依頼がサラに出されたことは、このガーライト王国の冒険者ギルドにすると意外な話のようである。さすが元冒険者の最強国王と国民に慕われるアルミーノである。
事情を理解したローデットからは、その招集した軍勢をアルメルス神国に送り込む交換条件なのを、後進であるサラの力も見てみたい自身の楽しみに絡めた指名依頼なのであろうと、推測を話される。
良い迷惑ではあるが、引き受けたからには仕方ないので、ムリンで待つ間に魔法回復薬の調合など準備をしながら、仲間たちの3交代制によりルート確保を待つことにする。
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