第225話 遠回り経路
ダンジョン都市ワチエから侯爵領都への護衛依頼のうち、盗賊などが良く出る経路で報酬が良い物はあるかを冒険者ギルドの受付に相談すると、意図も理解して貰えた。
来る時にも説明があったが、侯爵領都とワチエの間はダンジョンから得られた魔物素材や鉱石を運び出す経路と、ワチエで不足しがちな野菜などの食料を買い付けてワチエに運び込む経路がある。
ワチエから領都へ直接向かう経路が多いが、ダンジョン産の肉などの素材を遠回りしながら販売してまわる経路も少しあり、これが田舎道も通るために危険度が高いとのことであった。
もちろんカーヤのため、この危険度が高い経路の護衛依頼を受領する。
商隊メンバには、銀級3人がかなり若いことだけでなく、従魔のロック鳥に驚かれるが、ロック鳥がまだ子供サイズでありそのまま護衛任務に就かせて貰う。子供サイズと言ってもハリーの身長ほどはあるのだが、成鳥になるとハリーを乗せて飛べるのではないかと思える大きさになるので、やはり従魔であると理解して貰えたのであろう。
相変わらずハリーの人当たりの良さで、従魔が居ても御者だけでなく馬とも早々に仲良くなっている。
道中3日目で、林の中で前の道に馬車を横置きに止めて待ち構えている集団を見つける。以前にも見覚えのあるパターンであり、強奪した物を運ぶには馬車が必要だから定番なのか。飛んで火にいる夏の虫であり、殺してしまうより犯罪奴隷で売却すると高く売れるのと、ねぐらに貯めこんだ物も回収するために生きたまま捕まえる必要があり、手加減が難しい。
リリーが風魔法≪必中≫と弓武技≪遠射≫で、わざと急所にならないように足を狙って戦闘能力を奪っていく。ハリーの短剣投擲やカーヤの鉄球投石とサラの≪火球≫同時発動をしていく。
盗賊たちも瞬時の怪我で戦闘能力を奪われて逃げることもできず、早々に降参してくる。
武装解除し、拘束してから死なないようにサラが≪回復≫をかけて、ねぐらに案内させて貯めこんだ物も回収するが、魔道具だけでなく高級品もなく残念な結果であった。
期待通りに盗賊撃退もでき、侯爵領都まで無事に護衛を完了し、護衛依頼達成報告と合わせてカーヤの銀級冒険者への昇格も承認される。
盗賊自体の奴隷売却と回収した武具などの売却でそれなりの金貨を入手したことと合わせて、カーヤは驚いていた。
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