第401話 帝国大将襲来2

残ったのが大将と副将の2人だけになると、サラは学校対抗戦のときと同様に、精霊による王級魔法を発動した状態で、相手を閉じ込めた≪結界≫を解除することによりダメージを与えて≪衝撃波≫で戦闘不能にする。大将の方は、サラによる≪結界≫だけでなく自身での≪結界≫で防ごうとしていたが、サラの≪魔法消滅≫でその≪結界≫も消滅されて同じことになった。


黒ローブ7人の武装解除、猿ぐつわ、手足の拘束等を行っている間に、学校長クレオンダや衛兵が駆け付けてくる。

クレオンダが

「帝国の騎士!?昨日の大将と副将!?」

と言うので、やはり全身鎧は帝国の騎士の物であったのであろう。


魔法使いである大将と副将の装備品や荷物はほぼ取り上げて調べると、想像通りというか、例の悪魔教団のメダルをそれぞれが所持していた。ただ、騎士5人はメダルを所持していなかった。


先日の屋敷襲撃のときと同様に、7人それぞれを別々に複数人で拘束し尋問を行った結果、騎士たちは操られたわけでもなく帝国に忠誠を尽くしており、帝国の障害になりえる魔法使いの排除に来たと5人ともいう。また宣戦布告も間近であるという。

魔法使いの2人も帝国への忠誠が高いため、戦力となるために悪魔魔法も含めて手当たり次第に強くなろうとした結果であるようであった。クレオンダに聞いていたように、帝国では幼少のときから魔法教育も行われ、彼らは魔法エリートであり、王国との戦争で成果を出す前に、先発隊として学校対抗戦にやって来たという。


戦争における捕虜では無いため、捕縛した7人は賊であり犯罪奴隷にするという。それで逆らえなくさせた上で、帝国の情報を絞り出すとのこと。

ただ、騎士の装備など、帝国との外交において優位になるカードとして使用するとの話でもあり、サラたちにはこれ以上の情報提供も無いまま、金貨のみが国から渡される結果となった。もちろん魔法発動体や騎士の全身鎧等は高いと見なされたのと、情報を持つ奴隷そのものの価値が高いようで、想定以上の金貨が渡されはしたが、サラたちは釈然としない思いで帰宅するのであった。

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