第287話 商品検討

3週間、改めて店舗運営を学んだリリーとカーヤ。

冒険もしながらなので、種類を揃えられるほど店舗運営に専念できない自分たちは、ターゲットを絞り込んだ方が良いと結論を出す。


まずはどういう客層を狙うか等のコンセプトについて、皆と改めて相談する。

やはり一般人ではなく冒険者向けであるのならば、初心者、初級、中級、上級以上のどこにするか。

カーラの魔道具屋という中級以上向けの店舗が隣にあることを活かすのであれば、中級以上という案になる。

さらに魔道具屋との相乗効果も期待して、サラの魔法回復薬やスクロールという商材を考えると、なおさら初心者や初級の冒険者の財布では難しいので、その意味でも中級、一人前の銅級冒険者以上をターゲットとなる。


以上を踏まえたとき、安かろう悪かろうの商材は不要となる。つまりオーク等を倒したときに入手できる敵の武具は商材として相応しくないため、鉄素材として鋳なおした方が良いとなる。


中級以上をターゲットにした場合には、野営道具等の品揃えが無くてもある意味それは別の店舗で、で良い。ただし、初級弁当はコンセプトに合わなくなるし、武具や皮革製品の低級品は、少しはあっても良いがほとんど不要になる。


お客様からの認知は地道な努力とカーラとの隣を活かすことにし、足を運んでもらう、購入して貰うためには、希少品の高級魔法回復薬やスクロール等の商品は高めでも、他と差別化の難しい中級品の武具や皮革製品は少し割安にする。

低級品の武具や皮革製品は、カーラの店の反対側に安物コーナーとしてまとめる。


これらのレイアウトにより、カーラの魔道具屋という中級以上向けの店舗から流れて覗いたお客様にも、高級魔法回復薬、初級魔法ではあるが希少なスクロール、中級品の武具や皮革製品、低級品コーナーとなる。

コンセプトは「1つ上の冒険者に」で、少し背伸びして入手したことで少し上の狩場に行けるようになるための商品、である。

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