第323話 ヴェシン伯爵邸2

フェルールの家で昼食を取りながらの談笑をしているなかで、リリーがディアリスとアリアンヌたちに質問をする。

「え?クレマリア様とその一緒にいる女貴族?」

「あぁ、ロンアラス侯爵令嬢クレマリア・ド・ロンアラス様と、ムラン騎士爵令嬢のサンドロテ・ムラン様ね」

「確かにサラ様は、サンドロテ様からにらまれていますね。クレマリア様は全くそんなことが無いのに、クレマリア様の邪魔になると思っているようですね」

「どうしたら良いのでしょうか?」

「こちらが悪いことをしているのでは無ければ、放置が一番と思いますよ」

「何かして裏目に出る方が大変ですからね」

とアドバイスを貰う。


そうこうして時間が過ぎていくと、突然入室の案内があり、フェルールの父、ヴェシン伯爵本人が入ってくる。

「挨拶が遅れてすまない。娘がワチエで大変世話になったようだな」

「いえ、こちらこそ過分な報酬を頂きまして誠にありがとうございました」

「セドリックから優秀な魔女とあったサラ騎士爵は貴方かな。叙爵されなければ我が家にと思っていたのだが」

「過分なご評価ありがとうございます」

「これからも娘達と仲良くしてやってくれ。楽しい時間を邪魔したな」

と出て行く。

「慌ただしい父ですみません」

とフェルールがフォローする。


セドリックからもサラたちにフォローが入る。

「そうなんですよ、サラさんたちの魔法は今後ますます期待されると思っていたのですよ。だから家紋メダルもお配りしたのですが、一度も使われていないですよね?」

「あ、すみません。使い方が分からなくて」

「そういえば、サラって商人からもメダル貰ったことあったよね」

「これ?そうね」

「見せて貰えますか?え?ミケラルド商会?王都で一番を争う商店ですよ。どこで知り合ったのですか」

「えー?!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る