第324話 ミケラルド商会

メダルは伝手の証であり、例えばセドリックのメダルは貴族の後援の有無が影響する場合に使う、商人のメダルは売り買いしたいものがあるときに飛び込み訪問ではなく伝手を使うことで門前払いが無くなるとのことである。

サラも騎士爵とはいえ貴族の一端になったので家紋メダルを製作した方が良いとセドリックからアドバイスを受ける。


その後、散会になり馬車で店まで送って貰うことになったサラたち。色々と緊張することもあったが、得られた情報もあったクラスメイトとの休日となった。



翌日、ミーナも含めて5人で、教えられたミケラルド商会の店舗まで足を運んでみる。

貴族街にも近い大通りにあったその店舗は、サラたちの店舗と比べ物にならないぐらい巨大であり、1階の生鮮食品、2階の服飾品、3階の一般武具、4階の高級武具や魔法関係品と品揃えも豊富である。王都に住んでしばらく経つが、高級すぎて縁が無いと立ち寄ることも無かった場所であった。


入口で立ちすくんでいたサラたち、おそらく他の客と雰囲気も違うことも明らかであったのか、店員から声をかけられる。

「お客様、どなたかのご紹介でしょうか。御用をお承りしてよろしいでしょうか」

失礼が無いようには対応しつつ、単なる冷やかしならば入らないように拒絶の意味もあったのであろうが、ミケラルドから貰ったメダルを見せると

「失礼いたしました。どうぞお入りください。案内係をお付けします」

と別の若い店員が付いてくることになった。


興味がある商品は3階以上になるので、1階2階は雰囲気だけみて早々に3階に案内して貰う。

皆でそろって剣の展示スペースを見ていると、以前に商隊護衛の依頼主であったミケラルドが

「サラさん、お久しぶりです」

とやって来て、4階の応接室に誘われる。

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