第430話 王国軍反撃

帝国軍は、勝ちが見えなくなってきた長引く遠征でさらに兵糧不安も出てきて士気が下がり気味であったところに、本陣や馬車が燃え出すことによる混乱。

さらにはそのタイミングでの街と平原それぞれの王国軍の突撃。


いくら帝国軍の魔法使いの方が強力とはいえ、混乱状態で同等兵士数の敵に挟撃されて、総数1万人以上の敵味方が入り乱れている中で、20人程度の魔法使いが大勢に影響を与えることはできなかった。


ずっと街に閉じ込められ、砦や村を少しずつ奪われていたた街の王国軍、援軍に駆け付けながら2度の衝突では当たり負けしていいところが無かった平原の王国軍、いずれも今日ここが機会と奮戦をする。


サラは上空から状況を見ている中、下手に戻ることよりも敵本陣に追加ダメージを与えた方が自身の安全にもつながると考え、先ほどまでいた本陣の上空に移動し、その付近への魔法攻撃を続ける。さすがに本陣にはまだ王国軍がたどり着いていないタイミングであったので遠慮なく攻撃魔法を放つ。先ほど顔を見た、司令官、副官など帝国軍のトップ層が色々と騒いでいるのが遠目に見えたので、水精霊シルビーに≪氷結≫で確保しておいて貰う。その上で、そのメンバを助けに来るものを邪魔するために≪氷壁≫で囲んでしまう。

ときどき魔法使いがやって来て≪氷壁≫に火魔法を放ったり≪魔法消滅≫をしたりしようとするのが見えると、優先してその魔法使いにはストラデルに魂を奪いに行かせる。


ハリーたちは東側から帝国軍に攻め入ることで、燃え残っている荷馬車などから物資を魔法の袋に回収しつつ、混乱している敵兵を少しずつしとめていく。


2時間ほどすると抵抗する帝国軍も居なくなり、王国軍の勝利が確定する。街と平原それぞれの王国軍が合流し、捕虜や確保した物資の整理などを開始する。

本陣があったところにはサラとそのパーティーメンバが集まり、敵の司令官等を猿ぐつわなどで拘束して武装解除した状態で、ロワイヤンの街の代官グーモンスに引き渡す。

その後は、医務エリアに行き、皆で治療を手伝い続けた。

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