第629話 タカマーノ疑惑
銀龍というレーベルク帝国でのサラの異名や、陸軍閥なのに五段櫂船の呼び名をなぜか知っているタカマーノは、帝国とつながりがある海軍、そして第2王子と繋がっていることが疑わしいと思っていたサラたち。
そのタカマーノの動きが、今のところ第3王子や第1王子に協力しているのだが、第2王子との連携が不明なため、海賊騒ぎの証拠の写しをタカマーノに預けてみて様子を見ることにした。
まず貴族街のタカマーノ宅に訪問し、面会を依頼する。
「本日はどうされましたか?皆様のおかげで、いったんの王太子選考は乗り切れたところで、ダニエーレ王子はお金も無いので大人しくされていますが」
「今日は海軍閥の汚点の証拠を持参しました」
「どういうことですか!?」
「これをご覧ください」
「まさか・・・これは・・・。わかりました。確かに海軍閥を攻める情報になりますが、どうしてこれを?いえ、それは良いです。これをどうしろとおっしゃるのですか?」
「いえ、有効に活用いただけたらと思います」
と、証拠の写しをタカマーノに預けて退出するサラたち。もちろん、トリストフたちにタカマーノの動きは尾行させる手配はしてある。
翌朝、トリストフから報告を受ける。
「タカマーノは真っ直ぐには第3王子のところには行かず、別の貴族屋敷に行きました。調べてみると、海軍閥の若き中堅でした。さらに、その中堅は海軍閥の幹部のところに駆け込んでいきました」
「やはり、タカマーノは海軍閥に通じていたのかな」
と話していたら、その翌日にタカマーノから屋敷に来て欲しいと使いが来る。
タカマーノ宅に訪問すると、第3王子もいた。タカマーノから
「この度はありがとうございました。こちらをお受け取りください」
と相当な金銭が入っていると思われる布袋を卓上に示される。その上で
「あれの原本をお渡し頂けますか?」
と言われる。
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