第273話 強盗少女
さらに強盗の事情聴取の内容を聞くと、スラム街で娼婦をしていた少女の母が亡くなったのは事実らしく、借金を返せないので強盗の手伝いをさせようとした途端の失敗だったとのこと。最初のターゲットで失敗したので、男たちは少女を責めて騒いでいるようである。
この強盗の男たちが犯罪奴隷になるのは想像がついたが、少女はどうなるのかをリリーは衛兵に聞く。
幼い上に強制されたとはいっても、強盗の手伝いをしたのであり、同じく犯罪奴隷になる。ただ男たちと違って鉱山などに行くのではなく、奴隷商からどこかの幼女趣味の金持ちに買われていくのかもしれない、とのことであった。
かわいそうに思ったリリーがサラに相談をする。貴族になったサラが対外的には家長のようなものであり、何かあった場合にはサラが責任を問われるであろうからである。
サラ自身もかわいそうと思っており、自分への言い訳としても
「魔法を覚えられるぐらい賢い子であるならば購入することにしよう」
として、衛兵に許可を貰い、少女に試験をしてみることにする。≪水生成≫の魔術語を見せて覚えられるかという試験にする。
当然、少女は魔術語など見たことも無かったのであるが、覚える地頭はあったようである。
衛兵に少女を引き取りたい旨の相談をすると、
「盗賊を確保して来たのだから購入の優先権は認めるが、金貨3枚になる」
「犯罪奴隷に落とす盗賊を引き渡すと1人金貨1枚なのに?」
「分かりやすく言うと、金貨1枚の材料費に、奴隷契約の契約魔法などの手続きなどの加工費がかかって、商品価格になる」
と説明される。
強盗の男たち3人の報奨・売却の金貨3枚を少女の購入資金とし、手続きの終わる3日後に引き取りに来ることになった。
その3日の間に、家の部屋を用意し、ハリーたちを説得するのと、カーラやエミリーにも報告しておくことにする。
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