第869話 ターフルダ侯爵領魔物討伐

ヴィリアン侯爵領での魔物一掃の際と同様に、騎士団員を中心とした班分けに魔術師団員を分散するようにチーム編成をする。ダークエルフでも、まだ村長の意図通りには交流が出来そうにないものがある程度いるため、彼らは独自のチーム構成をさせて、それ以外の者を騎士団たちと混ぜる。

10人ほどで1班構成にして、それぞれが主街道沿いに散らばり、各々が魔の森に北上して攻め入っていく形にして、少し競争心も煽る。


一週間ほどその班構成で、代官地近くの魔の森で野営も含めて交流と訓練をさせた上で、サラが順番に転移で連れていき魔物一掃を開始する。

「なぁ、俺たちはどうするんだ?」

ハリーの疑問に対してサラが答える。

「もちろん、森の入り口程度ではつまらないから、皆とは離れた奥地で狩りをするわよ。ドラゴンのドンやワイバーンのワンたちもたまに思いっきり暴れて貰った方がストレス発散になるでしょうしね」

「よっしゃー!」

「彼らには、従士団たちが狩り終わった森の入り口を燃やして貰うことも忘れないでね」

「それも楽しんでやりそうだな・・・」

「人が居ないことをちゃんと確認してからよ」


最近、帝国との境にある山でドラゴンやワイバーンを狩っていたのもあるが、どんな敵が潜んでいるかわからない森の中は訓練になるはず。そう思っていたが、ハリーはワイバーンに騎乗しているし、サラ達5人は≪飛翔≫で上空を移動していると、木々から頭が出ているBランク魔物のトロールたちとの戦闘になるなど、すでに物足りない状況になってしまった。

その奥でAランク魔物のハイオークキングを中心としたハイオークファイターなど上位ハイオークによる村などをいくつか殲滅して焼き払った後は、侯爵領の端といわれる山脈での地龍ドレイクやレッサードラゴンなどの討伐に励む。


野営のたびに分散配置した精霊使い達からの定期連絡で問題ないことを確認しているが、当初の予定通り1週間を区切りにいったん代官地に皆を≪転移≫で引き返す。

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