第925話 領地運営方針2

そしてこれら領地の運営をするために必要になってくるのは人材、そして体制です。


今までのドラセム家の家臣団は、武官と文官に分かれ、文官は代官地の運営を中心に業務をしておりました。対して、武官でも代官地護衛隊以外は独立していたので、戦争に行ったり冒険者活動をしたりすることができました。


今後は、旧のターフルダ侯爵領の運営を行なっていた文官、領民の安全を守ったり外敵に備えて訓練したりしていた武官とも合流することになりますので、新旧での軋轢が必ず発生します。また以前からのドラセム家臣団は奴隷が多いため軽んじられることが多くなると思われます。

そこで、ハリー様は新旧どちらの武官の上にも立たれることになるのですが、以前からの騎士団、魔術師団は全てをドラセム家の近衛部隊として他部隊と独立させた方が良いと考えます。代官地護衛隊は隊長を入れて78人ですが、それを除くと160人程です。

ターフルダ侯爵領の領軍は千人単位で居たはずですので、近衛の規模として問題は無いと考えます。また元の領軍の体制は原則維持とし、幹部層には順次面談等を行い、明らかな縁故採用で能力不足のもの達は刷新していけば良いでしょう。


文官も、今までの代官地運営の体制はそのまま現地に維持とし、こちらの侯爵領の運営体制も基本は現行を踏襲、こちらも順次面談等で能力不足のもの達は順次刷新するので良いと思います。


ただ、新体制で住民台帳管理など新しいことをやっていくには人員が不足しますので、領内でも募集すると共に、あちこちから人員募集をした方が良いと考えます。

ドラセム家の従士団は様々な国々の出身者の集まりです。それぞれの知り合いで、学がありながら三男などで家督を継ぐことができず就職にあぶれている人たちを紹介して貰いましょう。もちろんスパイが紛れ込む可能性もありますが、何も情報が無いところでの仕官受け入れより絶対忠誠の犯罪奴隷の従士団の紹介の方が頼りになります。

また、他国には私ローデットの奴隷を解除したことを知られていないでしょうから、ドラセム家に仕えるには奴隷になる必要があると覚悟するものも多いでしょう。

新規任用者は、領地運営で目の届かないところに配置する前に、しばらくは代官地での運営補佐をさせて、相互監視することでスパイの排除も可能になるでしょう。


諜報部隊の拡充も必要になりますので、トリストフ、カロル達にも人材徴用に活躍して貰いましょう。

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