第453話 家宰採用
ヴァーヴ伯爵家の執事とその娘のローデット、そしてサラとハリーとリリーが連れ立ってミケラルド商会の系列である奴隷商人のところに足を運ぶ。ここならば悪い手段で集めた奴隷もいないであろうとの期待もあった。
事情を説明して犯罪奴隷の契約をローデットとサラの間で結ぶ。サラは、ミーナたちと同様に、自分とその仲間、親しい人たちが害を被ることはないように、またサラの特殊な魔法などを他に漏らさないように、だけは守るように「命令」するが、その他は自由意志で、とお願いする。
また、せっかく足を運んだ奴隷商人であるので、追加メンバを探すことにする。
ローデットと同じ理屈を踏まえると、その本人のために犯罪奴隷が好ましいのであろうが、犯罪奴隷とは普通は本当に凶悪犯罪で捕まった者がなるのであり、性根が良くない可能性が高い。またサラたちのメンバは基本的に魔法を使うことを踏まえると地頭が良いことが望まれる。
そこで、性根が良く地頭が良いという2条件で奴隷商人に打診すると、先ほど入荷したのが1人いると連れてくる。
気力を失った感じで顔は下を向いているが、特徴的な耳からエルフの女性であることが分かる。
「このエルフの女、街中で魔法を使って暴れたので犯罪奴隷に落とされたが、どうも敵討ちをしようとしていたようであり、性根が悪いのではないのかと思われます」
と顔を見せられると、4年前にサラが実家に帰る途中で乗り合わせたエルフのようであり、ハリーとリリーもそういわれると、と思い出す。あの時は確かにエルフであることを隠すために人付き合いを最低限にする感じであったが、性根が悪いようには見えなかった。
4年も経ち事情もあったのであろうが、性根が変わっているとは思えないため、彼女を引き取ることにする。捕まったときの装備、魔道具の弓や魔法の袋については既にミケラルド商会に販売されているとの話である。
エルフ女性ということで通常よりはかなり高かったが経済的に問題は無いので、サラを主人にするよう奴隷契約を変更して引き受ける。
「ティアーヌさん、これから私が主人ですが、私とその仲間、親しい人たちが害を被ることはないように、また私の特殊な魔法などを他に漏らさないように、だけは守るように「命令」しますが、あとは自由意志でお願いします。まずは家に連れて行きますね」
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